久々にブログ更新です。
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先程、聖霊高校さんにお邪魔して「探究レポートの相談会」をしてきました〜。
希望者の高校2年生たちに授業してきました。

当日は、2年生の担任団の社会科の先生と数学科の先生も見学?参加?に来られていて、
そのおかげでより充実した授業になったな〜と思いました。

(1)授業の進め方
授業の流れは
①探究してきたことの整理・再設計
②探究する上でのお困りごと解決ワークショップ
③個別探究相談
という流れで実施してみました。

①でフレームワークに基づいて考えることで、②のアイディアがいっぱい出たり、
②で他者が出したお困りごとを自分の探究プロセスと結びつけて
考えることがしやすくなることを意図して、こんな流れにしました。
言語化(可視化)することで、思い出すことの認知的負荷を下げて、
お困りごとについて検討することに対して、集中できるように配慮した形です。


(2)お困りごとで出てきたこと
②で出てきたお困りごとの写真は添付のような形です。
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これデータ数を多くして、分類を詳細に検討すると生徒目線からの探究の課題について
かなりわかりやすく整理できるなぁと思いました。また、春以降に大学院で一つの実験として
やってみたいなと思います。(あぁ…研究法や分析法の勉強しなきゃ)



(3)お困りごとについての考察
何個か生徒たちとお困り事について考察を行なっていきました。

①探究と調べ学習の関係について
複数の生徒が「自分の探究過程が調べ学習ではないか?」という問いを持って、引け目を感じていました。改めて、探究と調べ学習の共通するプロセス、違いとはなんなのか?それについて少しだけ深めることが大切だなと思ったので、その点について深めていきました。

当日は、聖霊高校卒業の大学院修士課程のお二人がいたので、そのことについて見解を問いました。
二人の話を聞いていくと探究(研究)の過程の中に調べ学習があることがわかりました。
いわゆる先行研究の調査がそれにあたるなぁという話になりました。

その上で、探究(研究)とは何か?という問いを出しました。
理学系の研究科と工学系の研究科の修士課程のお二人でしたので、それぞれその分野なりの回答が返ってきてとても面白かったです。
理学系の学生さんは、先行研究の方向性に納得して、さらに検証を進めていくこと、もしくはそれに反して、違うアプローチで検証を進めていくことという回答でした。
工学系の学生さんは先行研究とは異なるアイディアでより良いものがないか、仮説をたてて検証することという回答でした。工学系の学生さんは現実場面での応用を考える研究室だから、よりこのような回答になるんだろうなと感じながら、とても興味深い回答でした。

これらを統合したり、私自身も見解を述べながら、調べ学習自体は探究のためにとても大切なことであり、それ自体はとても素晴らしいことである。その上で、その調べたことに対して、疑問を持つことで、そこに探究する(情報を集めたり、検証したりする)余地が生まれるから、疑問を持つことが大切だねという話になりました。



②テーマの方向性について
このことについても複数の生徒から「テーマをどこまで深めたらいいか分からない」「自分が本当に調べたいものが何か分からなくなる」という声が上がりました。

めちゃよくわかります。笑

これには何個かアプローチありますが、総合的な探究は「自己の在り方生き方と一体的で不可分な課題」を扱うことが奨励されているので、自分の探究したいと思ったきっかけの深掘り整理をすることで、この探究を通じて何を明らかにしたいのか(純粋知的好奇心志向)明らかにしたものを使って誰の困りごとを解決したり、誰かの幸せを生み出したいか(他者貢献志向)を言語化することを促すアプローチを行うことが有効だと思います。

ちなみに、このバランスは意外と人それぞれだと思います。僕自身の学びのモチベーションはなんだろう?と考えると、両方とも強いですが、元来は前者が強目だと思います。ただ、それを適用する現場がないのもいやだから、後者についても勝手に同時で考えているんだろうなと思います。そして、それやたらみんな喜ぶからいいじゃん的になります。
話はそれますが、僕はこの時、後者(他者貢献志向)を絶対視するのはおかしいし、危険だと思います。
人間は自由で、価値観が多様であるからこそ、新しい文化や考え方が生まれると考えるからです。
ってか、私はそんな窮屈にいきたくないのです。笑

話は戻りますが、そのような形で、過去の自分と対話することで、具体的な記憶に基づくゴールが出来上がっていくので、それを目指して探究を進めるという、ある種の道標になりやすいと思います。
また、そのプロセスは自分自身の探究への動機付けにもなるので、そのような形を私はよく用います。



③探究の仕方が分からない
これはちょっと時間が足りなくなってそこまで触れれなかったのですが、
今回生徒と話していた中では、ここには二つの意味が含まれています。

1つが「疑問が持てない」ということです。
これは、その領域の知識が起因していることもありますし、各教科で習得すべき見方・考え方をその情報に対して適用をして問いを持つことができていないことを指していることもあると思います。
これは正直トレーニングしかないので、問いを持つように練習するしかありません。
本当は問いの持ち方のトレーニングワークショップでもやればよかったのですが、そこまで時間ありませんでした><

2つ目が「情報収集方法を設定できない、もしくはうまく実行できない」ということです。
まず第一に情報収集方法を設定できないのは、どこに必要な情報が転がっているか分からないから、もしくは、どこに情報が転がっている場所はわかっているけど、それを収集するための方法が分からないから、情報収集方法を設定できないことを指します。
前者に関しては領域の知識に触れる機会がなかったために、そこの情報がどこにあるか分からないんだと思います。
後者に関しては、今までの与えられた教科書で学ぶ先生に教えてもらって学ぶ以外の多様な情報収集方法があることを生徒に学んでいってもらう必要があるのかなと感じます。
ある種、学校教育の学び方があまりにも硬直化しているのかもしれませんね。

そして、仮にそれが設定できたとしても、それを実行する段階で、その実行するための能力・資質が足りずうまくできないということです。例:文献検索の時のネットリテラシー、国語の語彙力、言い換えの能力、インタビューにおけるコミュニケーション能力など。
ここら辺はそれぞれ各教科と連携してカリキュラム化していくことが必要になってきます。


(4)最後に
とりあえず、とても楽しかったでした。終わった後は、集中しすぎて爆睡しましたが。笑
こういう時は、気を使っていないように見えてものすごく気を使っているので、こういう授業の後はかなりの疲労感が出ます。笑


何人か個別に相談してくれた生徒さんの「球団経営」「医学研究(副反応)」「不妊?移植?」「睡眠」「リハビリ」についての探究はその後どうなるか、また知りたいなーと思います。


生徒からの感想が届いたらまたレポートするかもしれません。


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探究的な学びを通じて人の学ぶ力を高める”一般社団法人FILL”
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